いざ東京へ
もう東京にいる。今日の昼についた。
前日は奥さんにびーびー泣かれてしまって、僕も一緒に泣いた。寂しい気持ちは消せないので、紛らわすために仕事に専念しようと思う。
ダメだったら戻ればよいのだ、と思うと肩の力が抜けてリラックスできる。
空港で半泣きの奥さんが、終わって帰ってきたら温泉旅行にいこうねと言った。どんな表情をしたらいいかわからず、笑顔で楽しみだと答えた。
飛行機はあっという間だった。気がつくと羽田。気がつくと浜松町。気がつくと田端。気がつくと先輩が出迎えてくれた。
思っていたよりも声が小さくて、ボソボソと話す人だった。人見知りなのだろうか。頭を下げて妻と選んだお土産を渡した。
噂によると、社内にあるいくつかのチームの中で最もチームワークがよいチームのリーダーなのだそうだ。
家は引くほど広かった。妻と住んでる家の2倍は広い。2LKで他は4人家族とかが住んでる、間違いなく高級物件である。そしてテレビがデカイ。無駄に高い。
私以外に、先輩の友人が住んでいた。なんと男3人でルームシェアということらしい。この先の展開が読めなくて最初はなんでも面白く感じる。
そして先輩はリビングのパソコンに向かって静かに仕事をしている。休みの日でも仕事をしているのである。あーこりゃ参った参った。